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くちびるにはなうた

2006年4月〜求人誌「週間FREE」誌上で連載中

毒も花もある日々のうた

これまでしてきた仕事や、今の仕事やくらしについて書いています

2008年 9月5日

くちびるにはなうたーvol.118 「夏やすみの終わり」

8月31日に、日立市の多賀市民プラザ広場でイベントがありました。「コンチェルト カフェ」という名の、カフェと音楽のイベントでした。広場に移動カフェが出店し、次々にミュージシャンが登場して演奏をしました。お茶や食事をしながら生演奏を楽しむ。これは人生の楽しみの中でも、最も上位に位置する行為ではありませんか?食事や音楽が好みのものなら文句無し。海や山で静かに過ごす時間や、恋人と二人きりの空間を味わうことなど、楽しみはいろいろあるけれど。食べ物と音楽。私の場合、このコンビに人生はいつも救われるものなのです。さて、話はそれましたが。8月の終わりの日というのは、1年の中の大きな夕暮れに差し掛かる日のような、ここから大晦日に向けて一気に日が沈んで行くような日だと感じるのですけれど、今年はこのイベントのお陰で存分にこの日を楽しみました。夕方6時から7時の日が暮れていく時間に、広場で一人きりで演奏して、空や空気がひんやりすることと歌がぴったりつながっているようでした。自然の中で一人でいると、自然の一部になってしまうように感じませんか?一人で演奏すると、環境の一部になりやすいんだなあ。大切な感覚に気づいた日でした。ピース。

 

♪「天気」

晴れたら大成功
雨なら大失敗
この日の風の
吹き方一つで
決まってしまうです

それでも大勝負
外での大行事
その日の風と
仲良くしてね
共に楽しみたいのです

2008年 9月11日

くちびるにはなうたーvol.119 「近所の犬」

犬が大好きです。どのくらい好きかと言うと、道を歩いている時、たいてい通りすがりの家の庭や、道で散歩する犬を無意識に探しているくらい好きです。見つけるとにっこりと一方的に微笑み掛け、優しそうな飼い主の場合、「悪い人じゃありませんよ、」と全身で表現しながら近づき、隙あらば撫でたり握手をしたりするやっかいなタイプです。そんな私が日々の暮らしの中で愛している近所の犬が2匹います。1匹は隣の家の柴犬コロン。かなりの老犬で、やすやすと人にしっぽを振ったりしない堅物。懲りずに毎日声掛けを続けていますが。もう1匹は少し離れた団地の角に住む白い犬。勝手に「白ちゃーん」と呼びかけていつも手を振っています。全身が真っ白で、顔の周りの毛はライオンのようにふさふさとしている、愛くるしい見た目。家の周りを走れるようになっているので、いつもどこでどんなポーズをしているか見つけることが楽しみです。夏にサマーカットをされて子ライオンのようになっているのを見て、勝手ににやにや。今日は新しい小屋を与えられているのを見て「白ちゃんよかったね、」と声掛けしてきました。もちろん白ちゃんはいつもきょとん、と見ているだけ。ああ私も犬が欲しいなあ。ピース。

 

♪「犬の目」

自転車ではしる女のひと
いつも知らない名前で
馴れ馴れしく呼びかけ
手を振っている
自転車はきいろ
帽子はシロと緑
最近はもう気にしない
悪いことはしてこない
自転車ではしる女のひと

2008年 9月18日

くちびるにはなうたーvol.120 「 窯の火入れ」

去年から始めた趣味の陶芸。おじの工房で、先週末は初めて窯で焼くところを体験しました。窯の火入れがどんなものか、手短に書きますとね。薪だけで1300度まで温度を上げて30時間ほど焼き続ける方法です。1時間に100度ずつ上げていって13時間後には1300度くらいになるわけですが、それをあと16-7時間続けるのです。もちろん温度を保ちながら薪をくべ続けます。同じ行為を30時間続けるというのは、日常にはないことですね。しみじみ感じました。定期的に食べて寝る必要があると。それに逆らい慣れていない私は、この日も逆らえず、居眠りと間食を繰り返していました。もちろん、みんなで食事をすることには全力を尽くしましたよ。窯の前の屋外での食事。テーブルをセットし、ハエと戦いながら食事を広げて片づけるという繰り返し。これを5回くらいしたのかな?炭でさんまを焼いて食べたのが美味しかったー!さて。肝心の焼き物はというと・・・。一度1300度まで上がれば焼き物は出来上がり、そのあとは、灰を掛けていく作業とのこと。掛かった灰が焼かれて焼き物の表面にガラス質のきらきらを作るそうなのです。どういうメカニズム??良くわからないけど、自然冷却をして取り出せるのは1週間後。どきどき。今年の頭から作ってきた作品に、やっと出会えるのです。つづく。

 

♪「けむり」

もえる
あとは
かえる
どこか

うまれ
あとは
かわる
なにか

2008年 9月25日

くちびるにはなうたーvol.121 「 窯だし」

去年から始めた趣味の陶芸。おじの工房で、初めて薪窯で焼き物を焼く体験をしました。30時間、1300度まで温度を上げて焼いた物は、1週間後に取り出されました。焼かれた土は器になって、もうただの土には還れません。何だか責任を感じました。何でもかんでも焼いちゃいけないなあ、もう一生残っちゃうんだから。焼かれたものは、お皿、急須、植木鉢。私が作ったものはぱっと見てすぐに分かる、不揃いなかたち。その時その時で生えていた草花を押し映しているので、うっすらと植物のかたちが焼かれています。薄すぎて欠けたお皿、厚すぎてひび割れた植木鉢、形作ったときの8割くらいの大きさになって、思いのほか小さくなってしまったもの。うーん。一つ一つ手に取って、これはキウイの葉っぱ、これは桑の葉、これはナズナ、と指で触って愛でて。でもどれも完璧じゃないなあ、と言葉を失ってしまうのです。思った通りに、ちょうど良く作れるまでにはまだまだ道のりがありそう。のんびりいきましょう。ひび割れた植木鉢に粘土でもつめて、花を植えましょう。ピース。

 

♪「呼ぶ声」

誰かを
呼ぶ時
呼ばれる時

その音
呼吸に
ふくまれる

気持ち
感情と
関係とやら

 

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