くちびるにはなうた
2006年4月〜求人誌「週間FREE」誌上で連載中
毒も花もある日々のうた
これまでしてきた仕事や、今の仕事やくらしについて書いています
2007年 12月3日
くちびるにはなうたーvol.82 「ピアノが教えてくれること」 |
高杉圭さんというギタリストの曲を録音しました。ギターとピアノだけの曲を2曲。「特別なことをしようとしなくていいから。いつもの音を出して。」とだけ言われました。自分のピアノの音。それが他の人が弾くピアノの音とはどう違うのか考え始めました。自分の声もそうだけれど、歌ったり演奏してきた中で、音色というのは自分の好みの音に作られてきているはずなのです。録音された声やピアノの音は、どんなものがいいんだろう。自分の声や音はこれだ、と私はどのくらい客観的に聞けているんだろう。「無意識なところがいいんだよ。」と高杉さんは肯定的とも否定的とも取れるような言い方。それからギターを聞きすぎたり合わせすぎたりしないように、と言われ続けるうちに、録音が終わる頃、ギターとピアノは、同じリズムとコードの中で違う曲を弾いているような演奏をしていました。曲の中で2、3度重なり合う瞬間が、際だってしまうほど。でもピアノの音がとても良かった。リラックスしていて、いつも一人で弾いているときのような音。こういう距離感がいいよなあ。と二人の演奏を聴いていて思ったりしました。人との距離感。自分らしさ。みんなどんなことから教わっていくんだろう。ピース。 ♪「クリスマス」 おもちゃ屋さんから 冬至の夜には |
2007年 12月7日
くちびるにはなうたーvol.83 「キャンドルナイト」 |
夏至と冬至の夜には、電気を消してロウソクの火だけで過ごしましょう。
♪「あまり」 あかり あまる |
2007年 12月16日
くちびるにはなうたーvol.84 「キャンドルナイト 2」 |
毎日、すぐに暗くなりますね。お元気ですか?今年の4月から住み始めた一軒家で、初めての冬を迎えています。さ、寒い!!今は小さな電気ストーブとハロゲンヒーターしか持っていないので、暖房器具を買うことを本気で考え始めました。同居人との話し合い。ガス、電気、灯油、どれが一番安くて、あたたかくて、空気の汚れがなく、音が静かだろう。全部を満たすものはやっぱりないなあ。温風は苦手だし。石油ストーブがあったかいかなあ。石油を買ったり、ストーブに移すのが面倒だけどね。ということで石油ストーブを買うことになりそうです。冬至が過ぎたら日が延びていくんだよね。ほんとかなあ。冬はまだまだこれからなのに。冬至の日は、電気を使わずにライブをします。私は写真のセット、上からグロッケン、鍵盤ハーモニカ、トイピアノ、コーラスでサポートをします。あたたかいお洋服で、ぜひお越し下さいな。 ♪「流れ星」 灯りがひとつもない 叶わないことばかり
2007年 12月16日 くちびるにはなうたーvol.85「冬至の夜」 とても寒かったのに、雪にはなりませんでした。冬至の日の東京は、朝から雨がぱらついて、空は真っ白。家の狭い庭の土も、白く凍っていました。ゆず風呂に入り、かぼちゃを食す、という昔ながらの習慣には従わず、今年の冬至はキャンドルナイト。ろうそくの灯りと、電気を使わない生の音で過ごしました。下北沢のleteというお店は、小さなバーで、壁や床が白塗りの木でできていて、外の喧噪や時間の流れとはまったく関係がないような場所。その店で、三木千夏さんのライブをサポートして、8時から10時の間、生の音楽で人と向き合っていました。いい夜でした。音楽が鳴っているのに、お店の中の空間はとても静かで、ろうそくの灯りは、見た目の空気をあたためていました。キャンドルナイトなんて、という私のひねた心もやんわりと包むような、親密な雰囲気の夜でした。夏至と冬至、これからもイベントがあっても、家にいても、ろうそくの灯りで過ごしたいな、と思える効果のある夜でした。またこんなライブをするときにはご一緒しましょう。(写真はleteで使った電気をつながない楽器のセット、ミニグランドピアノと鍵盤ハーモニカ。)ピース。 ♪「境界」 音と音楽 今と昔
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