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くちびるにはなうた

2006年4月〜求人誌「週間FREE」誌上で連載中

毒も花もある日々のうた

これまでしてきた仕事や、今の仕事やくらしについて書いています

2007年 10月1日 

くちびるにはなうたーvol.73 「小笠原は透明」

小笠原諸島の父島に行って来ました。9月20日(木)に出発して25日(火)に帰ってくる小笠原汽船にて。こんな風に6日間のサイクルで港区と小笠原を行ったり来たりしている汽船は白くて大きかった。
ああ、いろいろ書きたいことがあるけれど、そうだなあ。父島の水と空気は透明でした。体に悪くない感じ。東京都心にいると、水や空気は体に悪そうなんだよ。港区から1000Km離れた父島は海と森と建物と道路の割合が、ちょうどいい感じでした。人と動物と虫と魚の割合もいい感じ。これくらいだと、みんながいい感じで呼吸をして長生きできそう。そう思った。
しかしです。沖縄もそうだったけれど、土地が石灰質で固く、耕せないそうなのです。だから農家がなく、食糧はほぼ小笠原汽船で運ばれてくるそう。自炊をする宿に泊まっていたので、島に3軒しかないスーパーに毎日行ったのですが、地魚が豊富にあるわけでもなく、冷凍のものなどが多かったです。
それから。父島の沖合でイルカと泳いだよ!正確にはイルカを追って泳ぎました。イルカのしっぽの映像が強く焼き付いています。あいつら速かった。イルカともっと泳げるように、静かに速く泳ぐ練習をしようと心に決めたのでした。
ピース。

♪「小笠原汽船」

他人の寝顔を見放題
こんなことって
あんまりない

眉間にしわが寄った人
まっすぐ上向き健やかさん
口元が少し笑ってる

船の旅では雑魚寝がいい
いろんな寝顔が全部いい

2007年 10月7日 

くちびるにはなうたーvol.74 「小笠原のひと」

9月20日から25日まで、小笠原諸島の父島に行って来ました。朝日を見て朝ご飯を食べて、海で泳いで昼ご飯を食べ、昼寝をしてまた泳ぎ、夕日を見て夕飯を食べて寝る。この繰り返しをしていました。地球のリズムで暮らしていました。見晴らしのいい丘に立って、見渡す限り海と空で、雲と光がゆらゆら移り変わりながら、昇り沈む日を見ていると、人生を肯定したくなる。ああ、生きてきて良かった。これからもがんばろうと。もうエコちゃんロマンティストで大げさなんだから、とお思いでしょう。でもホントだよ。でも泣かなかった。泣いちゃったのはね、帰りの船で。島の人々が船で帰る汽船を追いかけてくるんだよ。10隻くらいか、もっといたかなあ。手を振りながら「また来いよー!!」って叫びながら沖まで追いかけてきて、海に飛び込んだりするの。あれはずるいよ。島にはたくさん人が住んでいてもやっぱり本土から「離れて」いて、汽船でやっとつながっているという感触はぬぐえないんだと、帰るときやっと、島のひとたちの感覚を少し感じました。島にあるものとないもの。本土だって島なのにね。ピース。

♪「イルカの泳ぎ方」

まずですね
泡はいっさいたちません
すいーっとなめらか
顔色かえず
連れだっていつも
泳ぐのです

とにかく速い
速すぎる
ほ乳類とは思えません
泳ぐための色と形
じたばたせずに
泳ぐのです

2007年 10月14日

くちびるにはなうたーvol.75 「バブルライブ」

久しぶりに水戸でライブをしました。MDF-水戸デザインフェスという、デザインのお祭りのクロージングパーティーでした。思いおもいの、エコバッグデザインが並べられ、会場はおめかしをしたデザイン好きの笑顔であふれていました。
エコバンドは新しい顔ぶれの4人で、少々緊張気味、だとは伝わらなかったでしょう。ドラムにぴーすけさん、ベースに伊賀航さん、ギターにはこれまで同様、田辺玄さん。みんながよく話し、よく歌うバンド。新しいバンドでは、みんなに「歌って!」とお願いしています。演奏しながらコーラスをたくさんしてもらうことで、ボーカルと伴奏という関係じゃなくて、みんなが歌っているようなバンドに、早くしたいのです。
バンドに呼ばれたミュージシャンが、すぐに自分の曲のように演奏したり、愛着を持つのは難しいことだと思います。その難しさを早く超えてほしい。みんながよく歌う、やさしくて時にせめぎあう演奏ができるバンドにしていきたいです。
デザイン。人の手が何かをつくるのっていいな、とにぎわう会場を見ながら思った夜でした。ピース。

♪「手」

一人の手
二人の手
三人の手

集まる手
離れる手
さがす手

いつも手
いつでも
始まる
手と手

2007年 10月21日

くちびるにはなうたーvol.76 「お月見」

夕暮れがきれいな季節になりましたね。夕方は、好きですか?不安になる時間ですか?いつもいつの間にか夜になっていますか?私にとって夕方は一日の中でとても特別です。静かな気持ちになって、一番大切なものが心に浮かぶ時間のように思えるからです。
さて、9月、お月見はしましたか?美味しいものは食べましたか?母から、「9月と10月、どちらかだけお月見をするのは良くないから、10月も9月と同じようにね。」と言われました。「え?どうして?」「よくわからないけど、昔からそう言われてるよ。」「そうなんだ・・・、」9月、儀式的なアイテムはありませんでしたが、月を見ながら外でご飯を食べました。だから、10月もそうしようと思います。いいことがあるかも。良くわからないけれど習わしを守って、悪い出来事を避ける。そういう信心がとても大事だなあ、とこの頃良く思うのです。母には、こういった、「昔からそう言われてるよ」という根拠から習慣化されていることが一年中にたくさんあります。本に書かれていなくても、とても大切にされるその習慣は、曖昧なようでいて確実に彼女の人生を豊かにしていると、この頃良く思うのです。信じる気持ち。みんなも楽しいお月見をね。ピース。

♪「月のなか」

うさぎはとんでいるかしら
かげのかたちはなにかしら
おもえばそうなるのかしら

届かないから続くもの
いつまでたっても
かわらずに

おもちはついているかしら
にっこりわらっているかしら
いつまでもおなじ距離かし

2007年 10月29日

くちびるにはなうたーvol.77 「いずみ祭」

10月27日、日立市立泉丘中学校の学園祭「いずみ祭」におよばれして、演奏してきました。弾き語りで4曲歌ったあとに、水戸ホーリーホックの応援歌「走れ☆ホーリーホック!」を吹奏楽のみんなと一緒に演奏しました。2週間しか時間がなかったために、みんなは楽譜をさらうのが大変そうでしたが、真剣な眼差しで臨んでくれたリハーサル。26日の夕方、体育館に整然と並んだ40人くらいの吹奏楽のみんなに「はじめまして。」とご挨拶してから、せーので音を出しました。途中で音が消えそうになりながら、何とかつながって曲の最後までいきました。しーん。やりたくなーい!って何人かは思ってるんだろうな、と顔を見回しても、みんなの目はきれいすぎて後ろ向きな気持ちは見えません。「もう一回やってみよう。」を何度か繰り返すうちに、音が消えそうにならなくなって、曲が流れていきました。音楽の練習には、本番にはない感動があるんだよなあ。としみじみ。曲が曲になる瞬間や、一緒に音を出す人たちの呼吸が合う瞬間。初めて生まれる瞬間を味わうのです。味わったら忘れないで繰り返すこと。中学生と一緒に演奏したのは、去年の坂本中学校の学園祭以来でしたが、若葉の草原で演奏しているような爽快感。そんな感触を感じていました。そして本番はもちろん、◎。ピース。

♪「中学生の目」

アーモンドのかたちの
情報キャッチャーは
白いところが青く澄んで
黒いところがまんまるで

とてつもなく透明で
とてつもなく残酷な
頭の中はくるくると
見るものを捉えては捨て

しまったり忘れたり
曲がったりまっすぐ
くるくるくるくると
愛らしく落ち着きが

 

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