くちびるにはなうた
2006年4月〜求人誌「週間FREE」誌上で連載中
毒も花もある日々のうた
これまでしてきた仕事や、今の仕事やくらしについて書いています
2006年8月4日
くちびるにはなうたーvol.17 「楽器室」 |
こんにちは。大学を卒業してすぐに就職した会社は、ピアノやエレクトーンの楽譜、教材、月刊ピアノ、月刊エレクトーンなどの雑誌を制作する会社でした。3年間勤めた中で、前半の1年半は部分的な作業を繰り返して、本づくりを学んでいました。先週ここでお話しした裏表紙のバーコードづくり、そして今日は「校正作業」についての思い出です。校正とは文字や楽譜に間違いがないかどうか確認すること。文章は何度も読み返して確認するしかないのですが、楽譜の校正は実際に演奏してみて確認します。会社にはおよそ10畳くらいの「楽器室」があり、オーディオやエレクトーンがおいてありました。主に制作物の校正や確認に使用します。そこに一人でこもって制作途中の楽譜を弾き続ける、という日々がありました。これは集中力を要しますし、飽きてくると自分の曲を歌ったりして気分転換ができましたから、持続性がありました。問題はビデオの校正。ヤマハの教育ビデオなども制作していたので、できあがったビデオを何十本も見てノイズ(画像のぶれ、揺れ、ごみなど)が入っていないかどうかを確認するのです。「はっっっっっ!」と気が付くと何度ビデオが終わっていたことか。とんとん、と肩を叩かれ何度起こしていただいたことか。ああ、あんまりいい話ができなくなってきたなあ。・・・どうしたものか・・・。つづく。 ♪「梅雨明け」 ベランダにもたれた そらをかぜととんだ |
2006年 8月18日
くちびるにはなうたーvol.18 「アニメーション」 |
こんにちは。大学を卒業してすぐに就職した会社は、楽譜や音楽教材ビデオを制作する会社でした。入社して1年ほど編集作業の見習いをすると、1からものを制作していく現場に関わらせてもらえるようになりました。初めての仕事は忘れもしないヤマハ音楽教室の教材ビデオ制作。音楽とアニメーションで子供たちを楽しませ、リズムや歌を伝えていくビデオです。長年、ヤマハのキャラクターを描き続けているアニメ作家とビデオの監督に会うことから始まりました。アニメをどうつくっていくか、作家にどうディレクションしていくか、分からないことばかりで始めたものの、一番大切なことは見ている子供の気持ちを想像することだということはぴんと来ました。でもそれだけで制作が進むはずはなく、先輩に「ホントになんにも知らないんだね」を連発されながらも、台本を整えたり、アニメのカットイラストをチェックしたり、撮影、編集、と進んでいきました。「私がこんなことを決めてしまっていいんでしょうか」と感じる慎ましさを、私がほんの少しでも持ち合わせていたなら、この仕事を楽しんで進めることはできなかったでしょう。日々、好奇心を刺激してくれるスタジオで過ごす時間があっという間で、ものが出来上がっていくのが嬉しい、それだけの単純な思考回路だったのです。果たしてできあがりは・・・つづく。 ♪「くじら」 「くじらだー!」って 「くじらだー!」って 「どこ行きたい?」 |