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くちびるにはなうた

2006年4月〜求人誌「週間FREE」誌上で連載中

毒も花もある日々のうた

これまでしてきた仕事や、今の仕事やくらしについて書いています

2007年 5月8日 

くちびるにはなうたーvol.53 「走れ☆ホーリーホック!」

2005年の10月に、J2サッカーチーム「水戸ホーリーホック」の応援歌を作りました。その年の3月に、私は生まれて初めてプロサッカーを生で見ました。そんなばかな。そんな人が応援歌を?と思われても、リリースしました。初めてサッカー競技場に行って、その場の雰囲気や、選手や応援団やスタッフや空や木々がみんな新鮮でした。みんなが時間と場をつくっている。試合のあいだ、私は選手のプレーに集中せずに、競技場を眺めていた、という状態でした。すごく気持ちがよかったのです。いつもの私の生活にはない、鮮やかなグリーンの空気が、ずっと私の体を包んでいるような時間でした。そしてその感触を歌ったのが「走れ☆ホーリーホック!」という応援歌です。
応援団の方々や、サッカーの好きな子供達と一緒に録音ができて、とても楽しかったです。みんなで歌う歌はいいね。いつか、この歌を歌うみんなの声が、競技場の空気に混ざって、きらきらに響くことをイメージしています。

♪「サッカー」

あぶない!
試合を見ていると
何度も叫んでいる
いつも体がぶつかって
力をゆるめることがない

足にボール
吸い付く丸いもの
足から次の足へと
磁石がついているように
つま先でぴたっと止まる

2007年 5月13日 

くちびるにはなうたーvol.54 「はなうたのススメ」

2004年の4月から、茨城放送で30分間のラジオ番組を始めさせていただきました。2003年にファーストアルバムの「話のつづき」をリリースしたときに、「いつかラジオ番組を一緒に作ってみたいです!」と無茶なお願いをしていたことを、実現させてくれたディレクターさんがいました。それが茨城放送の看板娘、Tさんです。あれから早4年。妄想をかたちにしていくとき、必ず仲間との出会いがあります。Tさんは私が番組にしたい内容をくみ取って構成し、作り方を一つ一つ話し合ってくれて、言葉遣いや話の進め方を細かく教えてくれて、全くの素人だった私を、ラジオでものを伝えられる人に育ててくれました。このラジオ番組の中では、みんなの「はなうた」を放送しています。100人いたら100通りの生活があって、100通りのうたができる!音楽を堅苦しく考えないで、子供の頃みたいにうたを作って歌おー。と繰り返しています。歩いているとき、電車に乗っているとき、子供がてきとうかつおもろい歌をつくって歌っているところに遭遇すると、とてもうれしくなりませんか?私の場合、そんな時が、歌っていいなあ、って一番思うときなのです。その感動がこの番組を始め、続けさせているような気がしています。
まずは番組を聞いてみてください。そしてぜひみなさんの生活ソングを聞かせてください!

♪「隣の家のいぬ」

小柄な柴犬
名前はコロン
びっくりするほど
愛想がない

「おはよ」といっても
知らんぷり
吠えかからなくなっただけ
ありがたい?

愛くるしい名の
あいつはコロン

2007年 5月21日

くちびるにはなうたーvol.55 「三人暮らし」

今私は、東京の西のはずれに一軒家を借りて、女の子三人で暮らしています。小説にでもなりそうな、かしましい日々。一人は歌を歌っていて、もう一人はジュエリーのデザイナーです。二人とも私の六歳年下で、アルバイトをしながらの生活です。「ただいま」「おかえりー」「おやすみ」「おはよー」「今日、夕飯は家で食べる?」「行ってらっしゃーい」などの会話が交わされ、一緒にご飯を食べたり、買い物に行ったり、ライブや結婚式があるときには着るものの相談をして深夜になって、服やアクセサリーを貸し借りしたり、などなど。楽しそうでしょう?こんな生活はもう今しかできません。(できるけど、今しかできない方がいい。)思う存分楽しみます。生活の話がものすごく細かいのが楽しい。「この食器の並べ方どう思う?」「大家さんがね、庭に除草剤まいてくれるって言ってるんだけど、どう思う?何か植えるとしても除草剤はねえ。」「カマンベールチーズだけど、6つじゃなくて8つに切らない?ダイエットと節約のために。」などなど。楽しそうでしょう?みんなが暮らしながら創造する日々。これからもおもしろいことがあったらここに書きますねー。

♪「小麦粉大好き」

うどんやパスタはあたりまえ
パンとかお好み焼きとかね、
餃子に焼き菓子ドーナッツ!

なんでもみんなでつくりたい
できたらぺろっとたいらげて
今度の休みはなにつくろう?

粉さえあればイベントなのです

2007年 5月28日

くちびるにはなうたーvol.56 「古いもの」

年をとっていくごとに、「古いもの」に対してロマンを感じるようになってきました。この世に長く存在していることへの敬意、のようなものなのかな。不思議ですね。例えば家具。数年前、アンティーク家具を好む従姉から預かった、マカオの骨董家具を預かったまま愛用していますが、その数年前より今のほうがずっと、味わいながら使っています。引き出しの取っ手や扉を止める金具ひとつひとつも、愛らしいと感じます。例えば音楽。高校生の時から毎日のように弾いているショパンの練習曲。これも単なる指の運動という感覚からだんだんと存在が変わってきました。日常の中に、一世紀以上前に生まれた曲が同居しているという不思議。それを再生し続けること。例えば建物。近所にあるうどん屋さんは、古民家を改築して店にしています。黒々とした木が組み合わせられてできた家。天井もまわり廊下も広々として、外がよく見えます。どんな人が住んでいたんだろう?うどんをすすりながら家の隅々を眺めてしまうのです。古いものが今の私の日常と同居してくれたとき、古いという存在感が増す感覚の不思議。不思議だね。そういうのありません?

♪「5月のおわり」

陽がたかくなってきた
アジサイがのびてきた
日がながくなってきた

もうすぐ夏だね

キャベツがでかくなり
梅の実が目立ってきた

もうすぐだね

 

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