cd3「ただよう」えこ本人によるアルバム解説
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06  ありがとう

1.
お母さんが私を産んだ歳になった
お父さんが家を建てた歳もすぎた

私はと言えば
何一つ決められないまま
日々すごす
慰めてくれるの分かっていて
ためらいを こぼしたりして

ありがとう
まっすぐ目を見ては
なかなか言えないけれど ありがとう
変わらない眼差しと
老いていく背中を見せてくれて

2.
電話の向こう なつかしい声
「10年ぶり」と
「今も一人で暮らしてるんでしょう?
がんばってるね」と

「昔から、」という言葉に
誰もが弱いこと知っていて
ガンコなとこあったもんね!と笑い
いろいろあるんでしょ?って最後に

ありがとう
大人には確かな何かあると思ってたね
ありがとう
変わらなくていいよ、と
その声で教えてくれる友よ

陽を浴びて 根を下ろして
年追うごとに天へと伸びて
鳥を宿して 実をあたえて
雨風から守り 季節を知る
そんな風に 生きられたら

ありがとう
今まで縁あって出会い別れてきた人へ
ありがとう
毎日目を見てね、話をしてくれる人
ありがとう
まっすぐ目を見てはなかなか言えない人へ
ありがとう
生まれてから今日まで
毎日心配してくれるふたりへ

 

song, arranged, piano,chorus: えこ
vibraphone, glockenspiel: 田中佑司
recorded, mixed by 稲田範規 at Morita studio and Hi-Five studio

 

誰かに手紙を書くような、個人的な歌を書き重ねたいと、よく思います。気がつけば一番長く私を見てくれている両親に曲を書いていない。少し照れくさいけれど、物理的に離れて暮らしているからできるでのであろう、こんな歌詞の歌を作りました。従妹の結婚式で初めて披露したところ、両親(とくに父親)が号泣してしまいました。そのとき改めて、両親は私のことをとても心配してきたんだなあとしみじみ思いました。感謝するということは、毎日忘れてはいけないことの一つだね。感謝、祈り、労働、休息。日々。

 
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